海で安全に遊ぶためにはクラゲ対策が重要です。
そこで、ここでは「JELLYSGUARD(ジェリーズガード)」と「SAFE SEA(セーフシー)」という、、クラゲの刺激から守りつつ、日焼け止めとしても機能するクリームをご紹介します。
いずれも、カクレクマノミがイソギンチャクの刺細胞から守られるメカニズムからヒントを得て開発されたという商品です。
カクレクマノミはなぜクラゲに刺されないのか
イソギンチャクはその触手にある刺細胞で多くの魚を麻痺させてしまいますが、カクレクマノミは例外です。
というのも、カクレクマノミが分泌する特殊な粘液が刺細胞の発射を防ぎ、イソギンチャクと共存しているからです。
そして、他の魚の粘液を使った実験ではイソギンチャクが攻撃を試みるのに対し、カクレクマノミの粘液では反応が見られないのです。
だから、海の中でもイソギンチャクに隠れる魚はニモ(カクレクマノミ)だけに見えるんですね。
この特性をイソギンチャクと同じような刺細胞を持つクラゲにも応用し、クラゲに刺されないクリームが誕生したワケです。
JELLYSGUARD(ジェリーズガード)
JELLYSGUARD(ジェリーズガード)は、クラゲの刺激から肌を保護する革新的なクリーム。
このクリームは愛媛県立長浜高校水族館部「チームニモ」による刺胞動物の生態研究を基に開発されました。
前出のカクレクマノミの体表にある特殊な粘液からヒントを得て、クラゲやイソギンチャクの毒針から保護する効果を実現しています。
カクレクマノミは、イソギンチャクの中で生活しながら刺されることがない珍しい魚です。
その理由は、カクレクマノミの体表粘液に含まれるマグネシウムの濃度が高いから。
研究によると、イソギンチャクに刺されやすいスズメダイの体表粘液のマグネシウム濃度は1mg/Lであるのに対し、カクレクマノミは20mg/Lも含まれており、この高濃度のマグネシウムが毒針の発射を防ぐキーとなっています。
そして、マグネシウムの少ない魚がイソギンチャクに接触すると、毒針が発射されるメカニズムに反応しますが、カクレクマノミのようにマグネシウム濃度が高い場合、毒針は発射されません。
この発見を元に、JELLYSGUARDではクラゲの刺胞も同様に抑制することができるよう、マグネシウムを配合したクリームが開発されました。
ユウレイクラゲを使った実験では、通常のクリームに比べてマグネシウム配合のクリームが明らかに刺されにくい結果を示しました。
このクリームは、クラゲの触手に含まれる毒針の「外部刺激」に対してマグネシウムイオンとカルシウムイオンの特定の割合で対抗することで、刺胞の発射を抑制します。
JELLYSGUARDは世界初の科学的に立証された予防クリームとして知られ、国内で製造されており、日焼け止め効果を持つ製品やヒアルロン酸配合のフェイス&ボディ用クリームも展開されています。
SAFE SEA(セーフシー)
SAFE SEAは、日焼け止めとクラゲ対策が一体となった便利なクリームです。
この製品は、イスラエルのニダリア社によって開発され、クラゲや他の毒を持つ海洋生物からの保護を目的としています。
クラゲは何かを敵または餌と誤認して接近し刺すことがありますが、カクレクマノミのように、クラゲと共存する生物もいます。
この現象からヒントを得て、カクレクマノミの粘膜成分を研究し、それを模倣した成分をクリームに利用しています。
SAFE SEAは、クラゲの触手が皮膚に触れることなく滑り落ちるようにする効果があります。
また、クリームの特定成分がクラゲのセンサーを混乱させ、攻撃を阻止します。
これにより、クラゲに「仲間」と認識されることで刺されることが減少します。
このアプローチは、クラゲを遠ざけるのではなく、クラゲに誤認識させる点でJELLYSGUARD(ジェリーズガード)と同様です。
SAFE SEAは、「世界初のクラゲ対策クリーム」として広く知られています。
まとめ
海でクラゲに刺されないクリームとして知られているJELLYSGUARD(ジェリーズガード)とSAFE SEA。
どちらの製品もクラゲ避けとして日焼け止め効果を兼ね備え、多くのユーザーから支持されています。
効果の程は使用状況や個人差があるため、一概には言えませんが、どちらも評価は概ね高いです。
ただし、使用する際は、正しい塗り方や量、使用するタイミングに注意し、製品の指示に従って使用することが重要です。