コーヒーを飲むときに使うクリームパウダー「クリープ」の適切な保存方法と賞味期限について詳しく説明します。
というのも、クリープ開封後は適切な取り扱いが必要だからです。
そうしないと品質が早く低下する可能性がありますので、正しい保存方法を覚えておくことが大切です。
クリープの基本的な保存方法
クリープは開封後、約1ヶ月で使い切ることが望ましいです。
森永乳業のウェブサイトにも
1.ボトルのインナーシールを完全に剥がしてください(シールがあると蓋が密閉されにくくなります)。
2.ボトルのキャップはしっかりと閉めてください。
3.直射日光・高温多湿を避け、常温で保存してください(冷蔵庫で保存すると、使用時との温度差でかえって湿気を吸収します)。
4.開封後は1カ月を目安に使い切ってください。
と書かれています。
クリープは乳製品を主成分としているため、他のクリーミングパウダーと比べて湿気や高温に弱い点が特徴です。
なので、適切な保管を行わないと、品質が早く劣化する恐れがあります。
というのも、クリープに含まれる糖分が湿気を吸収すると溶け出し、時間が経過すると結晶化し固まりやすくなるからです。
この状態になると、元の粉末状態に戻りにくく、熱湯を注いでもすぐには溶けなくなることがあります。
森永乳業は、クリープが乳製品を使用していることを広告で強調しており、他の製品とは違うことをPROしています。
つまり、植物性油脂ではなく、浄化した牛乳から直接作られているフレッシュさを売りにしているのです。
なので、湿気を多く含んだ状態でクリープを保管してしまうと、徐々にホコリのような匂いが生じたり、カビが生えたり、色が変わることがあります。
これらの現象が見られた場合は、開封後1ヶ月以内であっても使用を避けることが賢明です。
森永乳業は、85gや265gのプラスチックボトル入りのクリープと、200gの詰め替え用袋入りクリープを販売しています。
一人暮らしや少人数の家庭では、これらの大容量の商品を1ヶ月内に使い切るのが難しいこともあります。
そんな時にはスティックタイプのクリープが便利です。
スティックタイプは個包装されており、一回分ずつ使うことができるため、賞味期限を気にせずに済みます。
ブライトの開封後の使用期限について
ネスレが市場に提供している乳製品代替品「ブライト」は、開封後はおおよそ1ヶ月以内に使い切ることが望ましいとされています。
例えば、10月1日にブライトを開封した場合、理想的には11月1日までには消費を完了することが推奨されます。
パッケージに記載されている賞味期限は、製品が開封された瞬間から無効となり、開封日から数えて1ヶ月が新たな使用期限となります。
同様に、AGFの「マリーム」も開封後はブライトと同じく約1ヶ月が消費の目安ですが、これに関する公式な情報はウェブサイトには記載されていません。
未開封のクリープの賞味期限と容器の変遷
未開封の状態で常温保存されたクリープの賞味期限は以下の通りです。
商品名 | 形状 | 賞味期限 |
---|---|---|
クリープ(プラスチックボトル入り) | プラスチックボトル | 15ヶ月(1年3ヶ月) |
クリープ袋(詰替え用の袋入り) | 袋入り | 18ヶ月(1年6ヶ月) |
クリープスティック 15本入り | 個包装の袋入り | 12ヶ月(1年) |
クリープスティック 100本入り | 個包装の箱入り | 12ヶ月(1年) |
クリープの保存性にはパッケージ形状による違いがあり、意外にも詰替え用の袋入りが最も長持ちします。
一方で、スティックタイプは賞味期限が比較的短いものの、1回ごとの使用が可能であるため、日常使用には便利です。
また、クリープの容器は過去にはガラス瓶で提供されていましたが、保管や輸送の効率を考慮して数年前にプラスチックボトルへと変更されました。
この変更は、製品の安全性を高めるとともに、使用者の扱いやすさを改善しています。
他社製クリーミングパウダーの未開封賞味期限について
森永乳業のクリープだけでなく、他のメーカーからも多様なクリーミングパウダーが提供されており、それぞれに設定された賞味期限は以下の通りです。
メーカー/商品名 | 賞味期限 |
---|---|
ネスレ「ブライト」 | 24ヶ月(2年) |
ネスレ「ブライトスリム」 | 24ヶ月(2年) |
UCC「コーヒークリーミーカフェプラス」 | 18ヶ月(1年6ヶ月) |
AGF「マリーム」 | 25ヶ月(2年1ヶ月) |
AGF「マリームスティック15本」 | 25ヶ月(2年1ヶ月) |
これらの製品は未開封の状態でおよそ2年間保存できます。
未開封の賞味期限切れクリーミングパウダーの使用について
賞味期限が過ぎても未開封のクリーミングパウダーはしばらく安全に使用できることがあります。
これは、賞味期限が通常、食品の安全性を非常に慎重に考慮して短めに設定されているからです。
本当に安全に使える期間は、実は公式の賞味期限よりも長くなることが多いです。
以下は、公式の賞味期限に基づく推測で、1.2倍から1.5倍まで延長した場合の使用可能期間です。
公式賞味期限 | 1.2倍の期間 | 1.5倍の期間 | 安全に使用できる期間の目安 |
---|---|---|---|
12ヶ月 | 14ヶ月4日 | 18ヶ月 | 最大6ヶ月後まで |
15ヶ月(1年3ヶ月) | 18ヶ月 | 22ヶ月15日 | 最大7ヶ月後まで |
18ヶ月(1年6ヶ月) | 21ヶ月18日 | 27ヶ月 | 最大9ヶ月後まで |
24ヶ月(2年) | 28ヶ月24日 | 36ヶ月 | 最大12ヶ月後まで |
一般的には、1.2倍の期間内での使用を考慮するのが良いでしょうが、最長1.5倍の期間も参考にすることができます。
ただし、保存期間が長くなった製品は、開封時にはその状態を確認し、異常があれば使用を控えてください。
森永乳業のクリープが他社製品より賞味期限が短い理由
森永乳業のクリープは他のクリーミングパウダーに比べて賞味期限が短いのが特徴です。
その主な理由は、クリープが乳製品を使用しているのに対し、他の多くのクリーミングパウダーは植物性油脂を利用しているからです。
製品名 | 主要原料 | 特徴 |
---|---|---|
森永クリープ | 乳製品 | ミルクの成分から作られた粉末クリーム |
一般的なクリーミングパウダー | 植物性油脂 | 植物からの油脂を使っており、保存が効く |
森永乳業のウェブサイトによると、クリープは日本で唯一の完全なミルク成分を使用した粉末クリームです。
この製法はクリープに特有の風味と質感を与えていますが、乳製品は鮮度が非常に大切で、時間が経つにつれて品質が低下しやすいという特性があります。
一方で、植物性油脂を主成分とする製品は、酸化しにくく、温度の変化にも強いため、一般的に長期保存に向いています。
このため、植物油を使ったクリーミングパウダーの方が賞味期限が長く設定されているのです。
森永クリープが賞味期限を短く設定しているのは、ミルク由来の風味を最大限に生かすためです。
この点は、乳製品を使用しているために必要な措置であり、製品の品質と安全を保つために重要です。
劣化したクリープの見分け方
森永乳業のクリープは、開封後はできるだけ1ヶ月以内に使用することが望ましいです。
開封すると空気に触れ、劣化が始まるためです。
クリープが本来持つサラサラとした乾燥状態が、空気中の水分を吸収することで徐々に変化します。
クリープの劣化を見分ける主なサインは以下の通りです。
- カビの発生:保存環境が湿った状態が続くと、カビが生えることがあります。
- 変色:元々の色と異なり、黄ばんだり、他の色に変わることがあります。
- 異臭:酸化や他の化学変化により、普段とは違う臭いがする場合があります。
これらのいずれかの兆候が見られた場合は、製品の油脂分が変質している可能性があります。
そのため、少しでも違和感があれば使用を控え、新しい製品に交換することが安全です。
固まったクリープの扱い方
クリープは時間が経つにつれて湿気を吸収し、小さな粒状に固まることがあります。
さらに湿気が多い環境下では、ガチガチに固まることもありますが、これ自体は品質の劣化を意味するものではありません。
開封後1ヶ月以内であれば、このように固まったクリープも安心して使用できます。
固まった部分をスプーンで削るか、崩して使えば、通常通りコーヒーや他の飲み物に混ぜて楽しむことができます。
クリープを長持ちさせるための保存方法
クリープの品質を長く保つための保存方法は、その包装形態によって異なります。
適切な方法で保存することで、クリープを新鮮な状態で長く楽しむことができます。
1. プラスチックボトル入りクリープ
プラスチックボトルに入ったクリープは、ボトルの口に貼られているアルミシールを完全に剥がしてください。
シールを残してしまうと密閉性が低下し、湿気が入り込みやすくなります。
保存する場所は直射日光を避け、熱源や湿気の多い場所から離れた、温度変化の少ない常温の場所を選びましょう。熱を発する家電製品の近くは避けてください。
2. 袋入りクリープ
袋入りのクリープは開封後、できるだけ空気を抜いて折りたたみ、クリップなどでしっかりと封をします。
保存する際も直射日光や高温多湿を避ける場所を選びます。
さらに、袋から出して乾燥したガラス瓶に詰め替えて保管すると、さらに長く新鮮さを保つことができます。
3. スティックタイプクリープ
スティックタイプのクリープは、包装が小さいため湿気を吸いやすくなりがちです。
開封後はフリーザーバッグやジップロックなどの密閉できる袋に入れることが良いでしょう。
清潔で乾燥したビンに入れておくのも、湿気から守る効果があります。
どの場合も、日の当たらない常温の場所で保管してください。
4. 使用するスプーン
クリープを取り扱う際は、湿気が少しでもついたスプーンを使うと、クリープが固まる原因になります。
取り扱う際は必ず乾いた、清潔なスプーンを使用してください。
5. 冷蔵庫での保存は避ける
クリープを冷蔵庫に保存すると、取り出すときに室温の変化で結露が発生しやすくなります。
これが原因で湿気が増し、クリープが固まったり劣化したりすることがあります。
そのため、クリープは常温で保管することが望ましいです。
これらの方法に従うことで、クリープを開封後も長く良い状態で使用することが可能です。
クリープ豆知識
クリープは私たちの身近にある一方で、その詳細については意外と知られていないかもしれません。
ここでは、クリープの基本情報をわかりやすく解説します。
1. クリープとクリーミングパウダーの区別
「クリープ」という名称は森永乳業の登録商標で、この会社の商品だけがこの名前で呼ばれます。
他の同様の製品は一般に「クリーミングパウダー」と呼ばれますが、クリープが1961年に日本で初めて発売されたため、広くこの名前で知られるようになりました。
その結果、他社の類似品もしばしばクリープと呼ばれることがあります。
2. クリープの健康への影響
クリープや類似のコーヒーフレッシュが健康に悪いと言われることもありますが、森永乳業のクリープは乳製品を主成分としており、香料や着色料といった食品添加物は含まれていません。
一方、一部の他社製品に含まれる植物性油脂はトランス脂肪酸を含む場合があります。
まとめ
クリープの開封後の賞味期限は約1ヶ月ですが、変色や異常な固まりが見られた場合は使用を避けた方が良いでしょう。
未開封の場合、賞味期限を1~2ヶ月過ぎた製品でも使用することは可能ですが、高温多湿の環境下での長期保存は避けた方が無難です。
製品が劣化しているかどうかは、熱湯に少量を溶かして試してみることで判断できます。
溶けにくい場合は品質が落ちている可能性が高いため、使用を控えることをおすすめします。