ウォンバットは主にオーストラリアとその周辺地域に生息している、コアラに近い哺乳綱双前歯目ウォンバット科ウォンバット属に分類される有袋類です。
その愛らしい外見と、ふわふわしたぬいぐるみのような体形で、多くの人々から愛されています。
動物園での彼らの行動は見る人の心を和ませ、飼育員の後をまるで子犬がするようについて行く姿などがそれにあたります。
なので、オンラインでは「ウォンバットは人懐っこい」「ウォンバットが人間好き」といった言葉でよく検索されます。
そこで、ここでは、ウォンバットがどうして人間に親しまれるのか、その背景にある理由を詳しく掘り下げています。
1. 社交性と寂しがり屋の性質
ウォンバットが人間と親しくなりやすいのは、彼らの社交的な性格と寂しがり屋の特性が影響していると言えます。
ウォンバットの人懐っこい性格の裏には、彼らの寂しがりやな側面があります。
例えば、動物園で人との接触が減ると落ち込むウォンバットや、一度野生に戻されても再び人間の元に戻って来るような事例があります。
これらの行動は、ウォンバットが人間を一種の仲間として見ている可能性を示しています。
ウォンバットは元々群れで生活する動物ですので、彼らは世話をする人間を自分たちの一員として認識する傾向があります。
人間から離れると落ち込むこともあり、これはウォンバットがどれほど社交的で、寂しがり屋であるかを表しています。
2. 警戒心が低い
ウォンバットが人に親しまれやすいもうひとつの要因は、その警戒心の低さにあります。
とはいえ、動物園で育ったウォンバットは人間に慣れ親しんでいますが、野生のウォンバットはどうでしょうか?
実際、野生のウォンバットも人間を恐れることなく、時には自ら人間に近づいてくることが観察されます。
この行動は、ウォンバットが元々持つ低い警戒心から来ているとされます。
ウォンバットは主にオーストラリアとその周辺地域に生息し、比較的天敵が少ない環境で進化してきました。
そのため、彼らは人間をはじめとする他の生物に対しても警戒心をあまり持たないのです。
しかし、野生のウォンバットが人間に接近することが、時としてリスクを伴うこともあるため、彼らの安全を願うばかりです。
ウォンバットの警戒心の低さは、親しみやすいクォッカのそれと似ているかもしれませんね。
3. 人間に甘える傾向
ウォンバットは人間に非常になつきやすく、甘えることを好む性質があります。
彼らは特に人間の抱擁を求める傾向にあり、動物園では飼育員に抱かれるために並ぶことさえあります。
幼い頃だけでなく成長してもその甘え好きな性格は変わらず、ウォンバットが甘えることが彼らの健康に良い影響をもたらす可能性があるのです。
驚くべきことに、ウォンバットの甘えん坊な性格は単なる気質以上のものであり、人間との密接な関係が彼らの寿命を延ばす効果があるとされています。
植物が話しかけられるとより良く成長するという研究があるように、ウォンバットも愛情の表現である甘えが長寿につながるかもしれません。
ウォンバットの平均寿命は野生では約5年ですが、飼育下では20年程度になり、中には30年以上生きる個体もいます。
この顕著な寿命の差は、愛情に満ちた環境がいかに重要かを示しています。
ウォンバットにとって、人間の愛情を受けることがどれほど幸せで寿命を延ばすかが見て取れます。
ウォンバットによる人への攻撃は存在するか?
ウォンバットは通常温厚な動物ですが、非常にまれに人に危害を加えることがあります。
例えば、ある事故ではキャンピングカーから出た人が、皮膚病に苦しむ興奮したウォンバットの上に偶然踏み出してしまい、その結果襲われたという報告があります。
ウォンバットは害獣と見なされることがあるのか?
オーストラリアでウォンバットが掘る巣穴により、トラクターや家畜が穴に落ちる事故が起こることがあります。
これが原因で、ウォンバットは一時期害獣とみなされ、駆除されることもありました。
しかし、現在ウォンバットは保護動物として認識されています。
それにも関わらず、特に南オーストラリア州や西オーストラリア州南部では、依然として違法に駆除されることがあり、その数は減少していませんが、政府や動物保護団体による保護活動が行われています。
日本でウォンバットに会えるのはどこ?
日本でウォンバットと出会うことができるのはごく限られた場所で、以下の2ヶ所でウォンバットを観察することが可能です。
- 長野県の茶臼山動物園
- 大阪府池田市の五月山動物園
これらの動物園だけがウォンバットを飼育しているため、ウォンバットを見たいと考える人々が特別に訪れます。
コアラとは異なり、多くの動物園で見ることはできませんが、そのために彼らを見に行く価値はあります。
まとめ
ウォンバットがなぜ人懐っこいかには、社交的で寂しがりやな性格であること、本能的に警戒心が低いなどがあげられます。
これらの特性が、ウォンバットが人間にとても親しまれやすい理由となっています。
ウォンバットは非常に人に優しく、時には積極的に人に近づいてきますから、この魅力的な行動が彼らを多くの動物園での人気者にしているのです。
日本の一部の動物園にもウォンバットがおり、訪れた際には彼らの魅力に直接触れることができます。
ぜひ、ウォンバットの愛くるしさに触れてみてください。