クローゼットからお気に入りの服を取り出した時、小さな穴が空いているのを見つけたことはありませんか?
その穴は単なるほつれではなく、まるで穴が開けられたかのように。
実は、これは服を食べる虫、特に「カツオブシムシ」という名前の虫の仕業かもしれません。
変わった名前のカツオブシムシ、実は衣類を痛める非常に厄介な害虫です。
また、カツオブシムシの成虫は一度に30~70個の卵を産むことがあり、1匹いたら、さらに多くのカツオブシムシが隠れている可能性が高いです。
そこで、ここではカツオブシムシの特徴と、どのようにしてこれを駆除するかを詳しく説明します。
カツオブシムシって何?知っておくべきこと
「カツオブシムシ」という名前を聞いても馴染みがないかもしれませんね。
しかし、「大切な衣類を食べる虫」と言われると、ふと気づくことがあるかもしれません。
カツオブシムシは、その名の通り、本来は鰹節を好む虫ですが、鰹節が少ない地域では、衣類やカーペットなどの繊維を食べることで知られています。
日本では、鰹節の他に衣類被害も非常に多いです。
もしかしたら、タンスや衣類ケース、引き出しの中で、黒や黄色の小さな斑点の虫を見たことがあるかもしれません。
それがカツオブシムシの成虫です。
また、茶色がかった小さなさなぎのような形をしたものが幼虫で、これが衣類を食べる犯人です。
成虫を見つけたなら、すでにその幼虫が衣類に被害を与えている証拠ですから、衣類に虫食いの穴がないか確認しましょう。
カツオブシムシが家に入るルートと対策
春になると、カツオブシムシは翅を持つ成虫になり、屋外へ飛び出して花の蜜を楽しむことになります。
彼らは特に白いものに引き寄せられるため、干してある白い洗濯物や布団、白い服を着ている人などにくっついて家の中に入り込むことがあります。
洗濯物や布団、衣服と一緒に家の中に持ち込まれてしまうのです。
カツオブシムシはなんで家の中に?
家に侵入したカツオブシムシの成虫は、自分の子供たちに食べさせるための場所を求めて産卵します。
彼らが選ぶのは、衣服、カーペット、羽毛製品、そして鰹節などです。
一般的に、部屋の中のクローゼットや引き出しのような暗くて隠れた場所で産卵されることが多いです。
カツオブシムシの成虫は非常に小さく、わずか2.5mm程度で、細い隙間からも侵入可能です。
そしてメスは、生涯で30~70個の卵を産むことがあります。
これらの卵は10~25日で孵化し、幼虫が衣服などを食べながら成長します。
この結果、影響を受けた衣服は徐々に生地が薄くなり、穴が開いていくことになります。
カツオブシムシの侵入を防ぐ方法
カツオブシムシは非常に小さいため、注意していないと洗濯物などに付着して家の中に入り込んでしまいます。
洗濯物を室内に取り込む際には、ヒメマルカツオブシムシが付いていないかを確認し、帰宅後は衣服をチェックしてブラッシングすると効果的です。
特に白や淡色の服は注意が必要です。
また、庭やベランダの白、淡い水色、黄色の花もヒメマルカツオブシムシを引き寄せるため、注意が必要です。
カツオブシムシの発見と駆除方法
カツオブシムシを見つけたら、放置せずに適切な駆除措置を取ることが重要です。
食品や衣類への被害を防ぐために、成虫には殺虫剤が効果的ですが、幼虫にはそれほど効き目はありません。
なので、65℃以上の熱を加える方法、例えばアイロンや乾燥機を使用するか、専門業者による駆除を検討するのがおすすめです。
また、発生を予防するためには定期的な掃除と食品の密封保管、防虫シートや防虫剤の使用が有効です。
日頃から予防策を実施し、カツオブシムシから衣類や食品を守りましょう。
ヒメマルカツオブシムシの卵、洗濯で駆除できる?
「衣類についたヒメマルカツオブシムシの卵は洗濯で取り除ける」ことが多いです。
通常、洗濯機で衣類を洗うことによって、ヒメマルカツオブシムシの卵や幼虫を駆除することができます。
ただし、すべての衣類が洗濯機で洗えるわけではなく、手洗い専用のアイテムもあります。
その場合、ヒメマルカツオブシムシの卵が駆除されない可能性も考えられます。
さらに、ヒメマルカツオブシムシの卵は乳白色で大きさが1mm未満と非常に小さく、目視での確認が難しいです。
そのため、疑わしい衣類については、より確実に駆除が行える方法で処理することが推奨されます。
また、「高熱処理」による駆除も有効です。
ヒメマルカツオブシムシの幼虫は65℃以上の高温に耐えられないため、高熱が幼虫や卵にも効果的です。
具体的には、衣類にアイロンをかける方法や、大型の布団などはコインランドリーでの高温乾燥がおすすめです。
コインランドリーの乾燥機は約80℃で動作し、この高温がヒメマルカツオブシムシに対して高い駆除効果を発揮します。
乾燥機を使用する際は、素材が高温に耐えられるかを必ず確認してから行うようにしましょう。
カツオブシムシが服を食べる理由とは?
カツオブシムシは本来、鰹節を好んで食べる虫ですが、ではなぜ衣類も食べるのでしょうか?
鰹節だけではカツオブシムシの繁殖には足りないため、衣類の繊維も彼らの餌となるのです。
このため、タンスや引き出しの中にある衣類はカツオブシムシにとって絶好の場所となります。
彼らがどうして衣類にたどり着くかというと、外に干された洗濯物に成虫がくっついて家の中に侵入することがあります。
また、カツオブシムシは白い色を特に好むため、白い衣類を着用しているときに外出すると、虫が衣類に付着しやすくなります。
一度家に入り込むと、カツオブシムシの駆除は難しく、見つけた際には迅速に対処する必要があります。
カツオブシムシはセーターも食べるのか?
カツオブシムシには主にヒメカツオブシムシとヒメマルカツオブシムシという2種類が存在し、成虫には明らかな違いがあります。
これらの幼虫はどちらも衣類を食べる習性がありますが、特にヒメマルカツオブシムシは動植物の繊維を問わず食べるため、被害が大きくなることがあります。
一方、ヒメカツオブシムシは主に動物の繊維を好まず、ヒメマルカツオブシムシはウールやシルクなども食べるため、ほぼすべての衣類が標的になり得ます。
そのため、ヒメカツオブシムシによる被害はセーターには及びにくいものの、ヒメマルカツオブシムシによる被害はセーターに穴を開けるほどに及ぶことも少なくありません。
カツオブシムシの成虫や幼虫を発見した場合、すでにセーターに穴が開いている可能性が高いです。
まとめ
カツオブシムシを発見した場合は、速やかな対応が求められます。
どの衣類や場所が被害を受けているかを特定し、適切な処置を施すことが大切です。
また、衣類を保管する際には防虫剤の使用など、虫食いを防ぐための予防策も講じるべきです。
カツオブシムシの被害を避けるためには、衣類を常に清潔に保ち、定期的に宅配クリーニングを利用することも有効です。