コンビニのお弁当など、多くのテイクアウト食品は発泡スチロールの容器で提供されます。
牛丼のチェーン店のような飲食店でも、テイクアウトには一般的に発泡スチロール容器が使用されています。
なので、家に帰ってこれらの食品を再加熱する方も少なくないでしょう。
しかし、発泡スチロールの容器をレンジで使用するのは避けた方が良いということをご存じでしょうか?
そこで、ここでは、電子レンジで安全にチンできる容器について詳しく解説します。
発泡スチロールと電子レンジ:使用上の注意点
発泡スチロール製のトレーや容器は、電子レンジでの加熱には不向きです。
たとえば家庭でよくあるのが、冷えたテイクアウト食品をそのままの容器で温めようとするケースです。
しかし、耐熱性の容器でなければ、形が変形したり溶けてしまったりします。
というのも、発泡スチロールを電子レンジで使うべきでない具体的な理由があるからです。
1.耐熱性が不足している
発泡スチロールは主にポリエチレンで作られており、その耐熱温度は80℃から90℃程度です。
電子レンジは食品を振動させて熱を生じさせるため、発泡スチロールのトレーが溶ける可能性があります。
なお、発泡スチロール自体に水分がほとんど含まれていないため、単独で加熱しても温度が上がることは少ないですが、中の食材が熱を持つと溶け出す恐れがあります。
2.加熱による収縮や損傷のリスク
特定の発泡スチロールは、熱が加わると縮んだり穴が開いたりすることがあります。
たとえば、冷凍されたひき肉をそのままトレーに入れて電子レンジで解凍すると、トレーが破損することがあります。
これは、解凍だけでも容器が破壊されるリスクがあるため、発泡スチロール容器での電子レンジ使用は避けるべきです。
電子レンジで使用すべきでない器
電子レンジで使用すべきでない器にはいくつか種類があります。
それぞれの材質によって、電子レンジ内で起こりうる反応が異なるため、注意が必要です。
以下に主なものをリストアップします:
1.金属製の容器
金属は電子レンジのマイクロ波を反射し、スパーク(火花)を起こす可能性があります。
これはレンジ内にダメージを与えることがあります。
2.一部のプラスチック容器
耐熱性がないプラスチックは、高温になると溶けたり、有害な化学物質を放出することがあります。
再利用の食品容器や一部の使い捨て容器は避けるべきです。
3.陶磁器に金属の装飾が施されているもの
金彩や金属のトリムが施された陶磁器は、金属がスパークの原因となるため、電子レンジでの使用は適していません。
4.スチロールフォーム(発泡スチロール)
すでに触れた通り、スチロールフォームは高温で溶けやすく、化学物質を放出する可能性があります。
5.紙製品
紙皿や紙コップなどは基本的には安全ですが、リサイクル紙やインクが印刷された紙製品は、高温で化学物質が溶け出すリスクがあります。
また、薄い紙製品は火がつく危険もあります。
6.クリスタルガラス
クリスタルガラスは熱膨張により割れやすく、電子レンジでの使用には適していません。
これらの材質の容器を電子レンジで使用する際には、それぞれの安全性や適性をよく理解しておくことが重要です。
もし不安な点がある場合は、その容器が「電子レンジ安全」であるかどうかを確認するのが一番です。
牛丼チェーンのテイクアウト、安全に温めるための最適な容器は?
牛丼チェーン店、例えば吉野家やすき家からテイクアウトした際には、元々の発泡スチロールの容器から安全な他の容器への移し替えが推奨されます。
電子レンジで安全に使用できる素材は、以下のとおりです。
・陶器
・磁器
・耐熱ガラス
・シリコン製容器
・耐熱性が140℃以上のプラスチック
これらの種類の容器に食品を移してから、レンジで加熱しましょう。
この方法は食器の洗浄が増えてしまい手間がかかるかもしれません。
ですが、発泡スチロールの容器をそのまま使い、溶け出してしまうリスクを考えると、後の清掃がより煩雑になります。
なので、少しの手間を惜しまない方がよいでしょう。
電子レンジで溶けた発泡スチロールの掃除テクニック
電子レンジで溶けた発泡スチロールは、次のようにお掃除するしかないので、手間になります。
1.熱湯を使用
約70℃~80℃の熱湯で溶けた発泡スチロールを柔らかくし、削ぎ取る方法が効果的です。
ただし、火傷には十分注意してください。
割り箸に布を巻きつけて熱湯に浸し、その後で溶けた部分を慎重に削ぎ取ります。
2.重曹水で拭き取る
重曹は汎用的なクリーニング材として知られており、電子レンジ内の溶けた発泡スチロール掃除にも有効です。
水1カップに重曹大さじ1を加えて沸騰させ、少し冷ました後、タオルに浸して汚れを拭き取ります。
3.溶剤の利用
ビニール類を溶かすシンナーやトルエンを使用する方法もあります。
これらの化学溶剤は汚れ落としに効果的ですが、独特の臭いが残りやすいため、他の方法が無効だった場合の最終手段として考慮してください。
なお、溶剤使用後は、必ず洗剤と水で丁寧に拭き取りをしてください。
まとめ
この記事では、発泡スチロール製のトレーや容器を電子レンジで加熱するリスクと、安全な再加熱方法について説明しました。
発泡スチロールの耐熱温度は80℃から90℃と低く、電子レンジで加熱すると溶け出す可能性があります。
また、テイクアウト食品を受け取った際には、安全な陶器や磁器に移し替えてから加熱することが推奨されます。
溶けてしまった場合の掃除方法も併せてご紹介しました。電子レンジ使用時にはこれらの点を考慮し、安全にお使いください。