ナスカの地上絵は、1939年に初めて発見されました。
この地上絵は、動物の絵や幾何学図形が地上に描かれており、世界中から人々が訪れています。
また、1994年には世界文化遺産に登録されました。
そして、近年の研究により、これらの地上絵は拡大法を用いて描かれていることが明らかになりました。
また、原住民の中には今でもナスカの地上絵を描ける人がいるとも言われています。
一方で、私たちが公園の砂場に絵を描くと次の日には消えてしまいます。
しかし、ナスカの地上絵は奇跡的に2,000年以上も消えていないのです。
ナスカの地上絵が消えない理由
ナスカの地上絵が消えない理由は、次の5つだと考えられています。
１．雨が全く降らない！
ナスカの年間降雨量は平均4mmという乾燥した大地です。
この乾燥は、地上に描かれた絵が雨で流される心配がない理由の一つです。
ナスカの砂地は、雨による浸食を受けにくいため、地上絵が長期間残り続けることができるのです。
２．風が吹く強さが絶妙
ナスカは風が絶妙な強さで吹いています。
砂漠のような大地であれば砂で埋もれてしまうものですが、ナスカの風は運ばれてくる砂を巧みに掃いてしまいます。
この風の力が、地上絵の消えない要因となっています。
３．大地が固い
ナスカの大地には硫酸カルシウム（石膏に含まれる成分）が多く含まれています。
霧も多い環境のため、硫酸カルシウムと水分が混ざり合ってさらに強固な大地を作り出しています。
この強固な大地のおかげで、描かれた地上絵が消えずに保たれているのです。
４．動物に荒らされることがない
ナスカには動物がいないため、動物の足跡などで地上絵が傷つく心配がありません。
もし、ナスカにバッファローやヌーの大群がいたら、地上絵はあっという間にかき消されてしまうでしょう。
５．保護活動をしていた人がいる
ドイツの数学者・考古学者である「マリア・ライヘ」さんは、地上絵の大切さを伝え、保全活動に力を入れてきました。
彼女の努力により、ナスカの地上絵は今も残っています。
大事な文化はしっかり守っていきたいものですね。
以上が、ナスカの地上絵が、紀元前から今に至るまで消えていない理由です。
ナスカ文化ってどんな文化？
ナスカ文化は、紀元前100年から800年までの約900年間に栄えました。
この文化の宗教的中心地はナスカ川流域の「カワチ遺跡」でした。
狩猟、農業、漁業、そしてアンデス文明の基盤である穀物の栽培が盛んに行われていました。
ナスカの土器は色鮮やかで美しく、動物や戦士、神様をモチーフにしたものが多く見られます。
文字を持たなかったアンデス文明では、土器のデザインが意思疎通のツールとして活用されていました。
また、ナスカの人々は絵を描くのが上手だったとされています。
このナスカの思想は、パラカス文化から大きな影響を受けています。
パラカス文化はナスカよりも1,000年以上前に栄えていました。
この時代から地上絵が描かれており、「パルパの地上絵」と呼ばれています。
しかし、ナスカが有名なため、しばしば混同されることもあるようです。
パラカス文化は、ペルー南部のパラカス半島を中心に栄えたアンデス文明の形成期文化の一つです。
この文化は紀元前100年から800年までの約900年間に繁栄しました。
パラカス文化は、砂漠のなかの地下式墳墓から発見された多数のミイラと豪華な織物に特色があります。
前期のカベルナス期（前800～500年）にはチャビン文化の影響が認められ、後期のネクロポリス期（前500～300年）には華麗な羽毛のうちわや黄金の装飾品、多彩色土器が製作され、次のナスカ文化に影響を与えました.
ナスカの地上絵の観察方法
ナスカの地上絵を体験するための3つの方法はの次のとおりです。
１．空からセスナ機で観る
地上絵を一望するには、セスナ機に乗り、空からの眺めがおすすめです。
全体を俯瞰でき、壮大な絵がどのように描かれているかを把握できます。
２．観測塔を利用して観る
地上絵を高い位置から見たい場合は、観測塔が便利です。
高所からの視点で、絵の構造を詳しく理解することができます。
３．地上で直接観る
地上絵を間近で見たいなら、Googleマップで場所を調べ、車で訪れるのも良いでしょう。
例えば、斜面に描かれた「猫の地上絵」は、地上からでも十分に楽しめます。
まとめ
今回は、ナスカの地上絵に関して、「地上絵はどうして消えないのか？」に焦点を当ててご紹介しました。
いくつかの異なる見解をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか？
まだ解明されていない謎が多く、想像をかき立てる内容の多いナスカの地上絵、このロマンあふれる神秘的なところ大きな特徴と言えるでしょう。
