絵を描き始めるとき、多くの方が最初に手にするのは12色セットの絵の具でしょう。
ただ12色だけで、どうやって多様な色彩の絵を描けるのか疑問に思うかもしれません。
実は、基本の3原色(赤・青・黄)に白と黒を加えるだけで、さまざまな色を作り出すことが可能です!
そこで、ここでは、絵の具を使った色の作り方や、色の混ぜ方のコツ、さらには特定の色の作り方や影を描く技術まで詳しく解説します。
12色の絵の具でも、豊かな表現が可能になる混色の技術をマスターしましょう。
絵の具で色を作る技術
基本の3原色「赤・青・黄」に「白・黒」を加えることで、幅広いパレットの色を作ることができます。
これにより、多くの異なる絵の具を購入する必要がなく、経済的にも効率的です。
ここでは、主に使われる様々な色の組み合わせ方を紹介します。
緑
「青+黄」で緑が作れます。
緑は3原色の中には含まれていませんが、青と黄を混ぜることで簡単に作ることができます。
紫
「赤+青」で紫が作れます。
赤と青を組み合わせることで、深みのある紫色を表現できます。
オレンジ
「赤+黄」でオレンジが作れます。
この組み合わせは直感的にも理解しやすく、鮮やかなオレンジ色が得られます。
茶色
「赤+黄+黒」または「赤+緑」で茶色が作れます。
茶色は複数の組み合わせで作ることができ、シーンに合わせて調整が可能です。
ピンク
「赤+白」でピンクが作れます。
このシンプルな組み合わせで、優しいピンク色を創出できます。
水色
「青+白」で水色が作れます。
青に白を加えることで、明るく爽やかな水色を得ることができます。
絵の具で鮮やかな色を作るコツ
3原色に白と黒を加えることで、多様な色が作れますが、ただ漠然と絵の具を混ぜ合わせるだけでは意図した色を得ることはできません。
そんな、色を作る際の重要なポイントを二つご紹介します。
1.軽い色から順に加える
色の混合は、明るい色から始め、徐々に濃い色を加えることがポイントです。
濃い色から始めてしまうと、色が濃すぎる場合に軽くするのは非常に困難です。
そのため、軽い色をベースとして、徐々に濃い色を混ぜ、希望の色調を調整してください。
2.白と黒の使用には注意
白と黒の使用は慎重に行いましょう。
これらの色は絵の具の「彩度」や「明度」を大きく変えるため、一度加えると取り除くことが難しいです。
特に黒色は、絵の中で過度に使用すると浮きがちになるため、非常に少量から始めることをお勧めします。
黒を使う前にはその必要性をよく考え、本当に必要な場合のみ微量を加えるようにしてください。
絵の具の種類による色の作り方の違い
絵の具にはアクリル、水彩、油絵の具など、さまざまな種類があります。
それぞれの絵の具で色の作り方に違いがあるため、種類ごとにその特徴と混色のテクニックを解説します。
1.アクリル絵の具での混色のコツ
アクリル絵の具は乾燥が早く、一度乾くと色が混じらないため、使用前にパレットで必要な色を混ぜておく必要があります。
また、水を加えることで色の濃度を調整できるので、色と水のバランスを考えながら混色します。
2.水彩絵の具の種類と混色法
水彩絵の具には透明水彩と不透明水彩の2種類があり、それぞれで色の混ぜ方が異なります。
・透明水彩の特徴と表現方法
透明水彩は、一度塗った色が乾燥した後に新たな色を重ねることで、下の色と混ざり合うことなく、独特の透明感を生み出します。
この技法は水彩画の清涼感を表現するのに最適です。
・不透明水彩での混色テクニック
不透明水彩は密度が高く、色が隠蔽力を持っているため、重ね塗りしても下の色を隠すことができます。
そのため、混色はパレット上で行い、準備した色を直接キャンバスに塗ります。
絵の具だけでは作れない色とは?
一般的に12色セットの絵の具には、自由に混ぜても作り出せない特定の色が含まれています。
例えば、3原色では生成が難しい「ビリジアン」のような特殊な緑色がその一例です。
また、金色や銀色も絵の具を混ぜ合わせるだけでは再現できないため、これらの色は別途単色として購入する必要があります。
影を表現するための補色の使用法
色相環において、直接対立する色同士を補色と呼びます。
補色を混ぜると色が濁り、この濁った色を利用することで自然な影を描くことができます。
例えば、オブジェクトの主色に少量の補色を加えることで、リアルな影の効果を加えることが可能です。
まとめ
ここでは、絵の具を使用した色の作り方を様々な角度から解説しました。
12色の絵の具セットでも、適切な混色と絵の具の種類を理解することで、豊かな色彩表現が可能です。
ぜひこれらのテクニックを駆使して、個性溢れる絵画作りを楽しんでください。