『肌色を塗りたいのに、手元にない!』
『今ある絵の具で肌色を作る方法は?』
絵の具セットには、メーカーによって肌色が含まれているときとないときがあります。
そんな、肌色がなかったり、使い切ってしまったりしても、基本の3原色さえあれば肌色は問題なく作ることができます。
そこで、ここでは、肌色の作り方と簡単に出来る混ぜ方やコツを詳しく解説します。
また、肌色の作り方は、絵の具と色鉛筆では使う色が異なるため、色鉛筆での方法もご紹介します。
ちなみに、今は「肌色」という表現はあまり使われなくなっているのを知っていますか?
この呼称が変わった背景と現代の呼び方についても後ほど解説するので、参考にしてください。
肌色を絵の具を混ぜて作る方法
肌色を作る基本的な方法を3つご紹介します。
1.赤・黄・白を混ぜる
赤 + 黄 + 白
赤と黄色を混ぜてオレンジ色を作り出し、その後白色を加えて徐々に明るさを調整します。
2.赤・黄・青を混ぜる
赤 + 黄 + 青
この方法も基本的には赤と黄色からオレンジを作り、そこに青色を少量加えて色調を調整します。
3.オレンジと白を混ぜる
オレンジ + 白
もしオレンジ色の単色絵の具があれば、これを白色と混ぜるだけで簡単に肌色を作ることができます。
この方法は非常に手軽で、すぐに理想の肌色を得ることが可能です。
肌色の調整ポイント
肌色を作る際は、人それぞれの肌の色合いに合わせる必要があります。
肌色を作る上での重要なポイントを以下に解説します。
1.色を暗くする場合は青を活用する
肌色を暗くしたい時は、黒よりも青を使用することをお勧めします。
黒を加えると強調しすぎてしまい、自然な暗い肌色よりも「こげ茶色」に近づいてしまうためです。
2.透明感を出す方法
透明感のある肌色を目指す場合、白を使うよりも水で薄める方が自然な仕上がりになります。
透明水彩の場合は水で色の濃淡を調整するのが一般的ですが、透明水彩でない場合は、水を少なめに使いつつ、濃淡を付けると良いでしょう。
色鉛筆での肌色の作り方
色鉛筆を使用しても肌色は作成可能です。
まず、薄く黄色を塗り、その上に軽く赤を重ねます。
色鉛筆での肌色作りでは、白や青を使わなくても自然な肌色が表現できます。
顔の影や立体感を出したい場合は、青色をさらに重ねることで実現できます。
さらに上級者は、オレンジや紫、ピンクを使って人の顔の赤みを表現することもできます。
ただし、色のバランスは描く絵や個人の感覚に依存するため、初心者は赤と黄色の2色での表現から始めるのがおすすめです。
絵の具や色鉛筆から「肌色」という名称がなくなった理由
かつては「肌色」という言葉を使っていましたが、現在の絵の具や色鉛筆にはこの表現が使われていません。
「肌色」は「うすだいだい」や「ペールオレンジ」といった名称で呼ばれるように変わりました。
というのも、日本をはじめ多民族が共生する社会では、「肌色」という言葉が持つ人種差別的な含みから、この表現の使用を避ける動きが広がっているからです。
実際に、2005年頃から「肌色」と名付けられた鉛筆や絵の具の販売が減少しました。
学校で子供たちが使う教材にも、中立的な色名が採用されることが一般的です。
まとめ
この記事では、様々な肌色の作り方を詳しく解説しました。
基本的な混色の技術を身につけることで、多種多様な肌色を作ることができます。
それぞれの人物に合わせた肌色を選ぶことで、よりリアルで自然な人物画が描けるようになります。
白い肌の女性や日焼けした子供の肌など、描く人物に応じて肌色を調整し、色鮮やかな作品を創り出してみましょう。