オキザリスは鮮やかな花色で庭を美しく飾ることができますが、直植えするのは避けた方が良いかもしれません。
というのも、オキザリスには庭の直植えに適さない３つの理由があるからです。
この記事では、オキザリスを庭や鉢植えにする際に知っておくべき主要な理由と、それに対する対処法を詳しくご説明します。
オキザリスを庭に植えるべきでない3つの理由
オキザリスが庭に適さないとされる主な理由は以下の三つです。
1．強い繁殖力
オキザリスは非常に繁殖力が強く、環境省の「総合対策外来種」に指定されています。
つまり、一度庭に根を下ろすと、地下茎や種子が広がることであっという間に広範囲に広がります。
その管理は非常に困難で、特にオキザリスの球根は非常に小さいため、土の中で見落とすことが多く、冬を越えて次の季節にも成長を続ける原因となります。
そうなると、オキザリスの球根を完全に取り除くのはほとんど不可能で、管理が行き届かないと庭がオキザリスで覆われる可能性があります。
このように急速に増えるため、他の植物の生育スペースや必要な栄養を奪ってしまうことがあります。
そのため、多種多様な植物を庭で育てたい場合には、オキザリスは適していないと言えるでしょう。
生態系に悪影響を与える可能性がある外来種で、問題を引き起こしていると認識されています。国や地方自治体、市民が協力して対策を進める必要があり、啓発活動や管理の徹底が求められています。
2．他の植物の成長を妨害する可能性
オキザリスが庭で過剰に繁殖すると、その強い生命力が他の植物の生存に影響を及ぼします。
というのも、オキザリスは周囲の植物から光や栄養を奪い、特に生育の弱い植物はこの競争に敗れて枯れてしまうことがあるのです。
オキザリスの密集した地域では、土壌の栄養が枯渇し、他の植物が栄養不足で苦しむ事例が報告されています。
3．潜在的な毒性のリスク
オキザリスに含まれるシュウ酸は、人間やペットに対して毒性を持ちます。
なので、特に子供やペットが誤ってオキザリスの一部を口にした場合、口内や消化器官に刺激を与えることがあり、深刻な健康問題を引き起こす危険性があります。
このため、オキザリスを植える際は、これらのリスクを考慮し、子供やペットが触れない場所に配置することが推奨されます。
オキザリスを管理しながら楽しむための栽培テクニック
上記の理由から庭に直植えするのはおすすめできないオキザリスですが、美しく鮮やかな花を楽しむ方法は次のとおりです。
1．地植えを避ける
オキザリスの地下茎は急速に広がる特性を持っています。
直接地面に植えると、その強い繁殖力を抑制するのが難しくなり、庭を侵す原因になることがあります。
なので、地植えを避け、鉢植えやプランターでの栽培をおすすめします。
また、地植えが必要な場合は、防草シートや根障を用いて、根の拡散を防ぐ対策が効果的です。
2．鉢植えでの管理を推奨
オキザリスを鉢植えで管理すると、その繁殖を効率的にコントロールできます。
鉢植えにすることで、植物の成長を継続的に観察し、必要に応じて鉢のサイズを調整することができます。
さらに、鉢植えならば植物の位置を移動させ、最適な日照条件を提供したり、冬季には屋内に移動させることが容易になります。
3．花がら摘みによる繁殖管理
オキザリスは、花が枯れた後に種子が飛散しやすく、これがさらなる繁殖の原因となります。
繁殖を抑制するには、花が枯れた後に花がらを定期的に摘むことが有効です。
この手入れは新しい芽の発生を阻害し、植物の増加を適切に管理するのに役立ちます。
なお、花がらを摘む際は、植物に余計なストレスを与えないよう注意深く行うことが大切です。
オキザリスが繁殖してしまったら…
庭にオキザリスが繁殖してしまったら、根絶はかなり困難な作業になります。
地中に深く伸びる地下茎や球根は、一度庭に定着すると完全に取り除くのが難しいためです。
また、地下部が残ってしまうと新たな株が発生し、オキザリスが再び広がる原因となります。
化学除草剤を使用する手段もありますが、これは繰り返しの施工が必要で、周囲の植物に悪影響を与える可能性があります。
オキザリスを始めから植えないことが最善の対策ですが、庭がすでに侵されている場合は適切な駆除法が必要です。
1．手作業での物理的駆除
オキザリスの根や球根はとても頑丈で、地中にしっかりと定着します。
これを物理的に掘り出すことにより駆除する方法は、根気のいる作業ですが効果的です。
なお、掘り出し作業は、球根を傷つけないよう慎重に行う必要があります。
というのも、球根が破損するとその破片から新しいオキザリスが生えるてくるからです。
なので、土を柔らかくして球根が露出するようにしてから、丁寧に抜き取りましょう。
2．化学的駆除
オキザリスを除去するためには、グリホサートなどの化学除草剤が効果的です。
ただし、使用する際は環境への影響を考慮し、オキザリスが密集しているエリアに限定して散布することが重要です。
薬剤が根まで浸透するようにし、周囲の植物への影響を最小限に抑えるために注意深く行う必要があります。
ただし、科学除草剤による除去作業は、一度で終わるものではなく何度も行うことになりがちなので、他の植物に与える影響も考慮しなければなりません。
3．光の遮断による成長抑制
オキザリスの成長を阻害するためには、光を遮断する方法も効果的です。
防草シートを使用してオキザリスが生える地面を覆い、新たな芽の出現を防ぎます。
シートを敷く際には、地面全体をしっかりと覆い、辺縁部を土で固定することで日光が届かず、オキザリスの成長を抑えることができます。
この方法は化学薬品を使わず、環境に優しい選択肢となります。
また、上除去作業時には『種を残さない』ことも重要です。
特に、こぼれ種から繁殖する力もスゴいので、気をつけるようにしましょう。
まとめ
オキザリスの花は、その美しい見た目で人々を魅了しますが、適切な管理が必要です。
なので、地植えを避け、鉢植えでの管理を心がけること、定期的な花がら摘みにより繁殖をコントロールできれば、オキザリスを庭や室内で安全に楽しんでください。
