電子レンジでモノを温めるとき、その温度で容器が溶けないかどうかが気になりますよね？
たとえば、500Wで1分温めるときは、プラスチックの容器は大丈夫なのか？とか。
実は、電子レンジの500W、600W、700Wの設定は、温度とは関係がありません。
なので、これらの数字で直接的な温度を表すことはできないのです。
これらは電子レンジが使用する電力の量を示しています。
電子レンジの500W、600W、700Wの設定は、オーブンのように空間を加熱するのではありません。
ですから、特定の温度を設定することはできません。
この記事では、電子レンジの異なるワット数がどのように機能し、どのような耐熱容器を使うべきかについて説明します。
電子レンジのワット数500W、600W、700Wでわかることは？
電子レンジの500W、600W、700Wといったワット数は、食品を加熱する際の温度を示すわけではありません。
電子レンジで温める仕組みは、食品に含まれる水分にマイクロ波を当てて、その摩擦熱で食品を内側から温めるというものです。
オーブンやグリルはヒーターを使って電気エネルギーを熱に変換し、食品を外側から加熱します。
オーブン内の温度は設定した温度に応じて上がりますが、電子レンジではワット数はマイクロ波の強さを指し、直接的に温度をコントロールするものではありません。
しかし、異なるワット数の設定を使い分けることで、さまざまな種類の食品をより適切に加熱することができます。
100度や120度耐熱の容器、140度耐熱のポリプロピレンは電子レンジで安全？
電子レンジで使える容器は耐熱温度が100度や120度のものでは不十分です。
適切なのは、耐熱温度が140度以上の容器で、これはJIS（日本産業規格）によって定められています。
なので、140度未満の容器を使用すると、溶けたり形が変わったりするリスクがあります。
140度耐熱のポリプロピレン容器は？
140度耐熱のポリプロピレン容器は、油分の少ない食品には適しています。
しかし、電子レンジで油分を含む食品を加熱する際は、特に注意が必要です。
なぜなら、加熱時間が長いと温度が200度を超えることもあり、油分の多い料理を温める際は、加熱しすぎないよう注意しながら進める必要があります。
例えば、ポリプロピレン製の容器で唐揚げを温める場合、適切な加熱を心掛けましょう。
油モノを温めるのは耐熱ガラス容器で
最も信頼性が高いのは耐熱ガラス製の容器です。
耐熱ガラスは、ホウ素を混ぜて作られ、急激な温度変化があっても膨張せず、割れにくい特性があります。
通常のガラス製品は、内部が急に膨張すると外側が追いつかず、その結果割れてしまいます。
しかし、耐熱ガラスは、急冷しても温度差が120度から400度の範囲であれば、割れることはありません。
電子レンジのワット数が加熱効率に及ぼす影響
「ワット」とは電力消費量を示す単位であり、電子レンジでの加熱力と直結しています。
つまり、ワット数が高いほど、食品をより迅速かつ強力に加熱することが可能です。
具体的には、ワット数が2倍になると、加熱に必要な時間は半減します。
例えば、500Wの設定と600Wの設定を比較すると、500Wの場合は600Wの設定時に比べて、約1.2倍の時間が加熱に必要になります。
- 600Wで1分加熱する場合、500Wでは約1分12秒が必要
- 600Wで3分加熱する場合、500Wでは約3分36秒が必要
- 600Wで5分加熱する場合、500Wでは約6分が必要
という具合に計算されます。
まとめ
この記事では、電子レンジの500W、600W、700Wといったワット数が加熱能力にどのように影響するか、そしてこれらの数値が実際の温度とはどのような関係にあるのかを解説しました。
電子レンジの加熱時間とワット数の関係性を理解し、使用するのに適した耐熱容器を選んで、上手に温め機能を利用しましょう。
