降水量200mmの雨は、どのくらいの時間で降るかで異なります。
例えば、24時間で200mmの降水があれば、1時間あたり約8mmの降雨となり、強い雨には違いないものの、深刻な状況にはなりにくいでしょう。
ですが、200mmは大雨です。
気象庁では、1時間に30mm以上50mm未満の降雨を「バケツをひっくり返したような雨」と表現しています。
つまり、1時間に200mmの降雨があれば、その4倍の量が一気に降るわけです。
これは、いわゆる「スーパーゲリラ豪雨」とも言える状況でしょう。
そのため、整備が不十分な小さな河川や低地では、洪水が発生する危険性が非常に高まります。
このような状況では、ただ「ヤバい」というレベルを超えた、非常に深刻な事態が予測されます。
降水量200mmとはどれほどの雨か?
降水量200mmの雨は、他の降水量と比較することで具体的な降り方を理解しやすくなります。
その比較をもとに、降水量200mmがどれほどの雨かを予測してみましょう。
気象庁では降水量80mm以上を猛烈な雨としていますので、200mmとなれば非常に強烈な雨です。
ちなみに、1時間に80mm以上の雨が降るのは、年間で25回ほどあります。
また、1時間に100mm以上の雨が降るのは、年間で5回ほどです。
そして、降水量200mm(ミリメートル)の雨は、数十年に一度あるかどうかというほど稀なもので、日常生活に重大な支障をきたす可能性があります。
そのため、早めの避難が必要となり、特に山や川の近くでは絶対に油断できないレベルです。
歩く際にも足元に十分注意が必要で、高齢者や小さい子供は特に余裕を持って避難することが重要です。
一般的に、1時間に20~30mm程度の降水量でもかなり強い雨と感じられます。
1時間に20mmの降雨であれば土砂降り、30mmになると道路が冠水し始め、傘はほとんど役に立たなくなります。
この時点で視界も悪化し、安全に対する危機感が強まります。
1時間に50mmの降雨では、道路が川のようになり、足元が長靴でもびしょびしょになるレベルです。
低地では建物が浸水し始め、山の近くでは土砂崩れの危険も高まります。
地下でも浸水が発生することがあり、地下鉄などでは速やかに地上に上がる必要があります。
降水量100mmはまだ200mmの半分ですが、それでも床上浸水や河川の氾濫、土砂災害が頻発します。
降水量200mm(ミリメートル)の場合、その被害は予測を超えるものとなるでしょう。
視界が完全に遮られ、足元も水に浸かり、方向感覚や平衡感覚を失う恐れがあります。
川が氾濫し、新たな水路が街中に形成されることもあります。
特に坂道では水が建物に押し寄せ、地形が変わることも珍しくありません。
自然の驚異を目の当たりにすることとなり、外に出れば瞬く間に全身が濡れ、衣服が重くなり動きにくくなります。
顔に当たる雨粒は痛く、降りつける雨はまるで頭を押さえつけるかのようです。
このような大雨に風が加わると、立っていることすら困難になります。
安全確保が非常に難しくなり、圧迫感や息苦しさを感じることもあります。
降水量200mm(ミリメートル)は、多くの人が初めて経験するレベルの降雨で、雨の降り方はまるで上から雨粒を投げつけられるような感覚です。
安全な場所がほとんどないように感じられるほどの非日常的な光景が広がります。
短時間であれば被害は少なく済むかもしれませんが、これが数十時間から数日にわたる場合、被害は無視できないものとなります。
住宅は床上浸水や屋根からの浸水に注意が必要です。
このように、雨が容赦なく上からも下からも襲ってきます。
200mmの降水量を具体的に表現するのは難しいですが、これほどの災害は日常の準備が試される場面でもあります。
場所によっては一刻も早く避難する必要があります。
大人だけでなく子供も危機感を覚えるほどの降り方で、歩いているときに車に近づけば水しぶきがかかり、その車自体も運転が困難になります。
いつの間にか水位が上がり、腰まで浸かることや車が浸水することも珍しくありません。
車の場合、水没と言えるほどの状況になりますので、すぐに高台へ避難する必要があります。
しかし、その高台ですら排水が間に合わないこともあります。
降水量200mm(ミリメートル)は、人々の逃げ場をなくし、追い詰める降り方もあり得るため、危機感と冷静な判断、そして迅速な行動が求められます。
家や田畑に構っている余裕はなく、『ちょっと畑を見てくる』という行動すら許されないほどの大自然の脅威が迫ります。
準備ができている人は直ぐに避難できる可能性が高まりますが、不十分であれば持ち物に迷ったり、判断が遅れる恐れがあります。
本来、安全な場所であるはずの家も、降水量200mmともなればその安全も保証されません。
逃げ遅れれば土砂災害や浸水に巻き込まれる可能性が高いため、早めの判断と行動が重要です。
過去に日本で降った最高降水量とは?
1982年(昭和57年)7月23日から翌24日未明にかけて、長崎県長崎市を中心とした地域で発生した集中豪雨、およびその影響による災害を「長崎大水害」と呼んでいます。
特に長崎市の北に位置する西彼杵郡長与町では、23日午後8時までの1時間に187mmの降水量が観測されました。
このような過去の事例からも、降水量200mmがいかに甚大な影響をもたらすかが理解できるでしょう。
降水量200mmの雨で予想される被害の目安
冒頭でも述べたように、降水量200mmの雨がどれくらいの時間で降るかによって、その影響は大きく異なります。
例えば、24時間で200mmの降雨があれば、1時間あたり約8mmの雨となり、強い雨ではありますが、深刻な被害は少ないでしょう。
それでも、雨量が短時間で集中的に多い場合、小さな河川や低地では洪水が発生する可能性が高まります。
また、、短時間で200mmの雨が降ると、視界が非常に悪くなり、圧迫感を感じるほどの恐怖心を抱くでしょう。
数十メートル先すら見えず、足元も不明瞭になります。
道路は瞬く間に水かさが増し、川のように流れ出すでしょう。
川が氾濫し、周囲を巻き込みながら大河となり、近くを歩く人々にとって大きな脅威となります。
排水設備である側溝やマンホールは機能を失い、行き場を失った水が足元の安定性を奪います。
つまり、降水量200mmの雨がもたらす被害の目安としては、短時間で日常生活が破壊され、最悪の場合には命に関わる危険が生じると言えます。
家の周りには溢れた雨水が押し寄せ、低地にある家なら床上浸水する状況です。
なので、2階に逃げても、1階が水に飲み込まれ、次第に2階も浸水していく可能性があります。
降水量200mmでは、こうした危機的状況が発生することが予想されます。
人間の常識を超える降水量であり、油断すると被害が一気に拡大します。
その結果、他人を危険にさらしたり、自身が危険に直面することがあります。
地形にもよりますが、見慣れた地面が形を変え、まるで知らない土地に変わることもあります。
浸水する時間によって被害が左右されるため、被害の目安はあくまで目安であり、予想は難しいです。
問題は物ではなく人命であり、いかに身を守るかが重要です。
足場はぬかるみ、やがて川となり、本来の川は氾濫して勢いを増します。
飲み込まれた家財道具や貴重品は回収が困難で、諦めざるを得ないこともあります。
不意に足元が崩れたり、土砂災害が発生して飲み込まれる危険もあります。
どこにいても油断はできず、道路は川に変わり車を飲み込むので、車内で待機するのも危険です。
被害の広がり方によっては、一帯が大きな川に飲み込まれます。
水が引くまで上空からは電柱や屋根だけが見える状態になることもあります。
その場に留まるのは危険で、川や山の近くも危険です。
絶対に安全な場所はないと認識し、速やかに避難場所と安全なルートを決めて行動することが重要です。
これだけの雨量だと、本当に大切なものは何かを問う被害が発生します。
遭遇するのが稀であっても、短時間に降水量200mmを想像し、備えることは重要です。
200mmの降水量の雨が降る状況を一言で表現すると、日常生活を奪い復旧を難しくするということです。
これが予想される被害の目安であり、備えるべき脅威です。
降水量200mm(ミリメートル)の雨は、対策が難しい自然の脅威そのものです。
普段から備えられることをしておくことが大事です。
被害が発生した場合の想定と、高台に位置する避難場所の確保が必要です。
一人で逃げられる時は自分の身を最優先に考え、避難することがポイントです。
最初は降水量数十mmの雨でも、強さが増して100mmを超えると感じたなら、迷わず避難を開始するのが理想です。
川が氾濫すると足場が分かりにくくなり、逃げるのも困難になります。
そのため、早く避難の必要性を判断し、行動することが大切です。
降水量200mmの雨は、公共の交通機関が運行を見合わせたり、建物やインフラを破壊することがあります。
過去には200mmに達しなくても被害が出ている事実もあります。自分だけは大丈夫と安心しないことが何よりも必要です。
まとめ
降水量200mmの雨は、一言で被害を予想するのが難しいレベルの雨です。
道路は側溝やマンホールが溢れて川のようになり、川は氾濫して周囲のものを飲み込むでしょう。
それだけ予想を超える被害が起きる可能性があります。
家や車が浸水被害に遭い、土砂災害が発生する可能性は高まります。
水害は地震とは違い、時間をかけて進行する災害なので、変化を実感しにくいのが問題です。