降水量が20mmに達すると、一般に「強い雨」と分類されます。
この雨量は室内にいてもその勢いを感じられるほどで、雨音が明瞭に聞こえます。
地域によって異なる場合がありますが、この程度の雨でも「大雨注意報」が発令されることがあります。
なので、油断はできません。
地形によっては、数時間この雨が続くと川が溢れたり道路が水に浸かるなど、重大な影響が出ることがあります。
つまり、降水量20mmだと、災害につながる可能性があるのです。
一方で、公共の交通機関には大きな影響はまだ出ませんが、屋外のイベントは中止されることが多く、外での活動は避けた方が良い状況です。
この記事では、降水量20mmの影響について詳しく解説します。
降水量20mmは体感でどのくらい?
20mmの降水量と聞くと、1m四方に1時間で2cmの水が積もるということですが、これはかなり強い雨です。
実際に外に出ると、傘をさしても衣服が濡れてしまいます。
なので、降水量20mmではレインブーツが必須で、レインコートやレインスーツもあればさらに良いでしょう。
自動車を運転する際には、ワイパーを最速にしても視界が悪く、風が強かったり夜間だと運転が特に困難になります。
降水量20mmを具体的に数値で見ると、以下のようになります。
- 1平方メートルあたりの水量 = 100cm × 100cm × 2cm = 20,000立方センチメートル(20L)
これは、1m四方の範囲に1時間で20Lの雨が降ることを意味しています。
さらに分かりやすく例えると、30分で一人が立つ空間(50cm×50cmの範囲)には、約2500mLの水が降ります。
- 30分で直立した人の頭上に降る水量 = 50cm × 50cm × 1cm = 2500mL
これは、30分で缶コーヒーのロング缶(各250mL)約10本分、または1Lのペットボトル約2.5本分の水が降ることになります。
これほどの降雨量だと、外出は避けるべきでしょう。
降水量20mmがもたらす生活上のリスクと対策
降水量が1時間に20mmに達すると、しばしば大雨注意報が出されます。
このような状況では、通常以上に警戒が必要です。
警報までは至らなくても、注意報が発令されるという事実からも、何らかの影響が考えられるため、特に以下の3つの点に注意が必要です。
1.環境音が聞こえにくくなることによる危険性
20mmの降水量では、雨音が大きくなり周囲の音が聞き取りにくくなります。
特に運転中や踏切を通る際は、通常よりも注意が必要です。
踏切近くでは音が聞こえやすいかもしれませんが、少し離れると聞き取りにくくなるため、踏切に近づいたらいつも以上に集中してください。
運転時には視界も悪くなるため、周囲の状況に十分注意し、事故のないよう慎重に行動しましょう。
2.河川の氾濫のリスク
小規模な河川でも、20mmの降雨があれば氾濫する可能性が高まります。
雨が短時間で止めば問題は少ないですが、雨が長時間にわたって続くと河川が溢れる危険があります。
特に小規模な河川やがけ近くに住む人々は、自宅の近くの河川の状態を常にチェックし、必要なら安全な場所への避難を考慮しましょう。
3.がけ崩れの危険性
降水量が20mmの雨が長時間持続する場合、がけ崩れのリスクも無視できません。
特にがけの近くに住んでいる方は、土砂崩れに対する警戒を強める必要があります。
事前に降った雨量が多い場合、地盤が緩んでいる可能性が高く、がけ崩れの危険性がさらに増すため、長時間の雨が予報されている場合は、特に警戒が必要です。
安全を確保するためにも、定期的に地元の気象情報を確認し、準備を整えておくことが大切です。
これらのリスクを踏まえ、降水量20mmの際は通常以上に周囲の環境に注意を払い、必要に応じて迅速に対応することが重要です。
「降水量」「降雨量」「降水確率」の違い
天気予報でよく使われる「降水量」「降雨量」「降水確率」という用語は、似ているようでそれぞれ異なる意味を持っています。
これらを正しく理解することで、天気予報の情報を日常生活や計画に活かすことができます。
降水量とは?
降水量は、空から地面に落ちる水分の合計を指します。
これには雨、ミゾレ、霧、雪などが含まれます。
降水量の計測は、その水が地面に留まったと想定して、水の深さをミリメートル(mm)で表します。
これは雨量計を使用して測定され、家庭でも簡単に観測することが可能です。
降雨量とは?
降雨量は、降水量の中で雨に限定した量です。
具体的には、降った雨が地面に留まった水の量を意味し、これもミリメートルで測定されます。
降雨量は、特に農業や水資源の管理において重要な情報となります。
降水確率とは?
降水確率は、特定の地域である時間帯に1mm以上の雨が降る確率をパーセンテージで表します。
この確率は、一日を0~6時、6時~12時、12時~18時、18時~24時の4つの時間帯に分けて百分率(10%刻み)で発表されます。
0%は降水の可能性がほとんどなく、100%はほぼ確実に降ることを意味します。
たとえば、降水確率30%というのは、100回の予報で約30回は1mm以上の雨が降ることを示しています。
この情報は、外出時に折りたたみ傘を持つなどの準備に役立ちます。
これらの用語を理解することで、天気予報をより有効に利用し、毎日の生活や活動計画に役立てることができます。
降水量20mmだと野外アクティビティは?
降水量が20mmに達すると、ほとんどの野外アクティビティやレジャーを行うのは困難になります。
このような状況では、キャンプ場の閉鎖やサッカーの試合中止が一般的です。
したがって、事前に計画を立て直して別の日に予定を移動させるのが最適です。
ゴルフ場が閉鎖されることは少ないですが、プレイ条件が悪化するため、予約を別の日に変更するのが賢明です。
なので、予約変更時にはキャンセル料が発生しないか事前に確認しておくと安心ですし、最近ではキャンセル料不要で変更可能なゴルフ場も増えています。
大雨と台風がもたらす意外な恩恵
一般に大雨や台風は災害のイメージが強いですが、これらの天候がもたらす恩恵もあります。
例えば、大雨は水不足の問題を解消する効果があります。
実際、アンケート調査によると、多くの人が大雨が水不足解消に寄与すると感じています。
また、大雨により山からの栄養分が川を通じて海へ運ばれ、豊かな海洋生態系を支えることにも寄与します。
台風の強風は、海水の温度層を撹拌し、表層の暖かい水と深層の冷たい水が混ざることで、海洋生態系のバランスを保ちます。
これは、海水温の上昇による生態系への悪影響を抑える重要な役割を果たします。
さらに、混ざった水が深海に酸素を供給し、多くの海洋生物に必要な環境を提供します。
このように、自然の力は時に厳しさを伴いますが、地球規模でのバランスには欠かせない要素です。
まとめ
降水量20mmは、多くの地域で大雨注意報が発令される水準です。
これが30mmから40mmに達すると、警報が発令されることもあります。
20mmの降水量は、災害に直結する可能性の手前の状態と言えます。
このため、外出を避け、定期的に天気情報を確認することが推奨されます。
もし外出が避けられない場合は、適切な雨具を用意し、雨が長時間続くことによる土砂災害や道路の冠水などのリスクに備えることが必要です。
特に、雨が1時間に20mm降るという状況が6時間以上続く場合、その影響はさらに大きくなります。
このような時は、自宅にいても防災グッズの点検を行うなど、常に準備を怠らないことが重要です。