カモミールはその穏やかなリラックス効果で、多くの人々に愛されています。
リンゴを思わせる特有の香りと白く愛らしい花が特徴で、日本では「カミツレ」とも呼ばれています。
逆境を乗り越える力を象徴する花言葉を持ち、乾燥させた葉はハーブティーの原料として、また他の植物を害虫から守るコンパニオンプランツとしても使用されます。
カモミールは病気にも比較的強いですが、育て方には注意が必要です。
この記事では、カモミールを庭で育てる際の注意点と魅力を深掘りし、美しい庭や癒しの空間を作るヒントをご紹介します。
カモミールを庭に植えてはいけない５つの理由
カモミールは可愛らしい見た目とは裏腹に、植える場所を選ぶハーブです。
ここでは、なぜカモミールを庭に植えてはいけない言われるのか、その理由を詳しく説明します。
１．過剰な繁殖
カモミール、特にローマンカモミールは、ほふく性が強く、庭をすぐに覆い尽くすことがあります。
地面に根を下ろすと、あっという間に広がり、計画していた園芸スペースを超えることがあります。
これは、園芸スペースの管理を難しくしますが、他の植物と比べると、引き抜きやすいため、管理が全く手に負えないわけではありません。
２．大きく広がる
カモミールは成長が旺盛で、特に条件が良い場合にはすぐに大きくなります。
成長すると、その茂みが他の植物のスペースを侵すことがあります。
庭を計画的に管理するためには、適切な場所に植え、定期的に剪定することが重要です。
3. 害虫に対する対策
カモミールは特有の香りでアブラムシやハダニなど害虫を引きつけやすく、これらの害虫は他の植物の健康を脅かします。
害虫が繁殖すると、庭全体に被害を及ぼすこともありますので、早期発見と迅速な対応が重要です。
定期的な観察と、害虫が見つかった初期段階での適切な殺虫剤の使用が効果的です。
4. 花が少ない問題
特にローマンカモミールは、花が少なくなることがあります。
花の数を楽しみたい場合は、ジャーマンカモミールのような花が多く咲く品種を選ぶことが大切です。
一部には、ほとんど花が咲かない品種もあり、これらは地面を覆う目的で使われることが多いです。
5. アレルギーのリスク
カモミールはキク科の植物で、花粉や一部の植物成分がアレルギー反応を引き起こすことがあります。
特にキク科にアレルギーのある人は、カモミールを扱う際に鼻詰まりやくしゃみ、目のかゆみなどの症状に注意が必要です。
アレルギーが心配な場合は、カモミールを植える前に家族のアレルギー状況を確認し、影響を受ける可能性のある場所には植えないようにすることが推奨されます。
カモミールを庭で上手に育てる方法
カモミールを庭で育てる際、最適な結果を得るためにはいくつかのポイントがあります。
効果的な管理方法をご紹介します。
1. 花がらの管理
カモミールの花が散った後、早めに花がらを取り除くことが重要です。
これにより不要な自然散布を防ぎ、新たな花の咲きを促進します。
また、収穫した花がらは、乾燥させてハーブティーとしても使用可能です。
これにより、カモミールの花から最大限に利益を得ることができます。
2. 効果的な剪定
カモミールは成長が旺盛なため、定期的な剪定が必要です。
特に5月から6月にかけては、適切な剪定を行うことで草丈を整え、健康な植物を維持することができます。
剪定は見た目を美しく保つだけでなく、風通しを良くして病害虫の発生を抑制する効果もあります。
カモミールの種まきと苗の育て方
カモミール、特にジャーマンカモミールの種は、春（3月～4月）または秋（9月～10月）に蒔くのが最適です。
直接地面やプランターに種をまく方法もありますが、育苗ポットを使用して健康な苗を育て、その後植え替える方法がオススメです。
これにより、苗がより強健に育ち、病害虫の被害を軽減することが可能です。
種まきから苗の育成までの手順は次のとおりです
- 適切な種まき用土を準備し、15～20℃の気温で種を蒔き、種が隠れるように薄く土をかぶせた後、軽く押さえて固めます。
- 種まき後、種が動かないように霧吹きで優しく水を与えるか、育苗ポットを水の入った容器に浸して底水を行います。
- 土の乾燥を防ぐため定期的に水やりをし、日当たりの良い場所で管理します。
- 本葉が5～6枚になったら、生長の遅い芽を取り除き、最終的にプランターや地面に植え替えます。
これらのステップを踏むことで、カモミールの栽培成功率を高めることができます。
カモミールを地植えで上手に育てる方法
地植えによるカモミール栽培を考える場合、事前の土作りが非常に重要です。
土質の調整から始め、適切な苗の植え方まで、以下に詳細をご紹介します。
１．土質の調整
カモミールは酸性土壌を苦手とするため、植える1～2週間前には土作りから始めましょう。
特に未調整の庭土を使用する場合は、苦土石灰（くどせっかい）を加えて土のpH値を中性から弱酸性に調整します。
苦土石灰はホームセンターやオンラインで簡単に入手可能です。
２．植え床の準備
苗を植える前に、土を30cm程度深く掘り返し、その土に腐葉土の3割と化成肥料を少量混ぜ合わせます。
1平方メートルあたりに苦土石灰をコップ1杯分（50～100g）加えてよく混ぜると良いでしょう。
３．苗の植え付け
土が整ったら、15～20cmの間隔を空けて植え穴を掘り、苗を植えます。
この際、苗の根がしっかりと土に触れるようにし、水はけが良いことを確認してください。
鉢植えでカモミールを上手に育てる方法
鉢植えでカモミールを育てる際は、特に土の選び方と水やりが重要です。
以下にその方法を解説します。
１．土の準備
カモミールは排水性の良い土を好むため、市販のハーブ用土を使うか、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜ、化成肥料を加えたものを用意します。
これらの材料もホームセンターやオンラインで購入できます。
２．鉢の準備と植え付け
プランターの底には鉢底石を敷き、水はけを良くします。
土を鉢の1/3ほど入れた後、苗を植え付けます。この時、根がしっかり土に接するようにしてください。
３．管理と水やり
植えたカモミールは、日当たりの良い場所で管理します。
特に真夏の期間（7～8月）は、午前中のみ日光が当たる場所での管理が理想的です。
水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと行い、水はけを常に良好に保ちます。
これらの手順に従ってカモミールを育てることで、健康な成長を促し、豊富な収穫を期待できます。
カモミールの水やりと肥料の正しい管理方法
カモミールを地植えする場合、最初にしっかり水を与えた後は、特に追加の水やりは必要ありません。
また、追肥も不要です。
これはカモミールが自然環境下で育つのに適した方法です。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらで良いので、たっぷりと水をやりましょう。
このときは、水は鉢の底から流れ出るほど与え、それ以外は乾燥してから与えます。
常に水やりをする必要はなく、土が乾燥して数日してからでも大丈夫で、乾燥状態にしておいたほうがスクスクと育ちます。
この水やり方法により、根腐れを防ぎつつ、カモミールが健康に育つよう助けます。
カモミールがうまく育たない原因と解決策
カモミールが育たない主な原因には、環境や管理方法の問題があります。
カモミールは日当たりと水はけの良い場所を好むため、これらが適切でないと健康的な成長が期待できません。
また、適切でない水やりや栄養不足も成長を妨げる原因になります。
さらに、ハダニやアブラムシなどの害虫に弱いため、これらの害虫が原因で成長が停滞することもあります。
害虫の発生を防ぐためには、定期的な植物の健康チェックと適切な防虫対策が必要です。
カモミールを健康に育てるためには、適切な栽培環境を整え、丁寧な管理を行うことが大切です。
カモミールの花言葉とその意味
カモミールの花言葉には、「仲直り」「親交」「逆境に耐える」「逆境で生まれる力」「清楚」「あなたを癒す」といったポジティブなメッセージが込められています。
これらの花言葉は、カモミールが持つ穏やかな印象や癒しの効果を反映しています。
ガーデニング時にこれらの意味を思いながらカモミールを植えると、庭作りがさらに楽しくなります。
カモミールと風水：最適な配置とその効果
カモミールは風水においても重要な役割を担い、特に「調和」をもたらす効果があるとされています。
風水でカモミールを置く最適な方角は西です。
西方向にカモミールを配置することで、家庭内の調和と安定、豊かさを引き寄せる効果が期待できます。
この配置は、カモミールの持つ自然なエネルギーを最大限に活かすことができるでしょう。
まとめ
この記事では、カモミールを植える際の注意点、育て方、さらにはカモミールに関する風水まで幅広く解説しました。
カモミールが持つ特性、すなわち増加しやすい性質、大きく成長すること、虫が集まりやすいことなどが植える際の考慮点ですが、これらに適切な対策を施すことで、問題なく栽培が可能です。
カモミールを庭に取り入れることを検討している方は、今回のポイントを参考に、美しいカモミールの花を楽しみましょう。
