B-CASカードは2000年にBSデジタル放送が開始されるのに合わせて導入され、既に20年以上が経過しています。
このカードは、BS2K放送や110度CSデジタル放送などで、番組の著作権を守ったり、有料放送へのアクセス、自動表示メッセージ、データ放送の双方向サービスなど多岐にわたる用途で活用されています。
一般的には、テレビに挿入して放送を受信するためのカードとしても知られています。
ですが、最近はインターネット上で「B-CASカード 廃止」というキーワードでの検索が頻繁に見られます。
さらに、最近ではB-CASカードを必要としないテレビやレコーダーが市場に出回っていることもあり、これがB-CASカードの廃止に繋がっているのではないかという疑問が生じています。
そこで、ここでは、B-CASカードの廃止の真相について詳しく解説していきます。
B-CASカードの現状は?廃止説の真相に迫る
B-CASカードについては廃止されたわけではなく、これからも使用が続けられる予定です。
では、なぜB-CASカード廃止のうわさが広がったのかというと、その大きな理由の一つに
- 2010年にB-CASカードのユーザー登録制度が終了すると発表された
ことがあります。
というのも、デジタル受信機の普及が進む中、ほとんどの家庭でB-CASカードが使われるようになってきたからです。
このため、ユーザー登録の必要がなくなり、この制度は2011年3月末に終了しました。
また、B-CASカード廃止説を後押ししている別の要因として、
- 最近はB-CASカードが付属していない新型のテレビやレコーダーが多く販売されている
ことがあります。
最新テレビでB-CASカードが付属していない理由
理由は、2018年に始まったBSの4K/8K放送は、従来のB-CASカードに対応していないからです。
そのため、4K/8K放送を受信するためにはA-CASシステムが必要となりました。
このA-CASシステムは、B-CASカードとは異なり、4K/8Kチューナーを持つテレビやレコーダーに最初から組み込まれているLSIチップ形式で提供されています。
また、A-CASシステムチップは、4K/8K放送だけでなく、従来の2K放送もサポートするため、B-CASカードが不要になりました。
そして、A-CASシステムチップへの技術変更は、不正コピーといったセキュリティ問題にも対応できるようになりました。
B-CASカードが不要になったらどうするべき?
2011年にB-CASカードのユーザー登録制度が廃止された後、不要になったB-CASカードはどのように処理すれば良いのでしょうか?
これらのカードは、ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズが所有しており、視聴者には無料でレンタルされています。
そのため、使用しなくなったB-CASカードは、企業に返却するか、自分で安全に破壊して処分することが推奨されます。以
前はカード情報の削除を企業に依頼する必要がありましたが、現在はそのような手続きは不要です。
A-CASシステムチップとは?
A-CASシステムチップは最新の4K/8K衛星放送に対応しており、従来のB-CASカードとは異なる新しい形態です。
このチップは4K/8K放送はもちろん、従来の2K放送にも対応しているため、非常に多機能であると言えます。
従来のB-CASカードはテレビの側面に挿入する形で使用されていましたが、A-CASチップはテレビ製造時に内蔵される形で提供されています。
このため、表面的な見た目だけでは「B-CASカードが廃止された」と誤解されやすい状況が生まれがちです。
しかし、このA-CASチップはあくまでB-CASカードのバリエーションの一つと考えられ、B-CASカードが完全に市場から消えるわけではありません。
B-CASカードはまだ使用が続けられており、廃止される予定も今のところありません。
まとめ
以上のような理由から「B-CASカードが廃止される」と誤解されることがありますが、実際には廃止されていませんし、その予定もありません。
つまり、B-CASカード廃止の誤解は、2011年にユーザー登録が不要になったことや、新しいモデルのテレビやレコーダーでB-CASカードが不要になったために生じていると考えられます。