フッキソウは、ツゲ科に属し、耐寒性と常緑性を持つ半低木です。
また、地面を覆うように広がるため「グランドカバープランツ」としても人気があります。
美しい緑の葉が特徴で、「富貴草」とも呼ばれ、幸運を呼ぶ植物として庭に植える家庭も多いです。
そして、日本に自生しているので当地の気候によく適応しており、手入れがしやすいのが魅力です。
なので、庭でも育てやすく、成長も旺盛なため、園芸初心者にはおすすめです。
ですが、一方でフッキソウは庭に植えてはいけないとも言われています。
そこで、ここでは、フッキソウを庭に植えてはいけないと言われる理由や上手な育て方、植えるメリットなどを詳しくお伝えします。
フッキソウを庭に植えてはいけない3つの理由
旅花「フッキソウ」
— 花丸花子💐 (@Noko46Kinoko) March 19, 2022
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フッキソウを庭に植えてはいけないと言われている3つの理由とは、次のとおりです。
1.葉に含まれる毒性
フッキソウの葉には、ステロイドやアルカロイドなどの毒性成分が含まれています。
これらは消化器系に刺激を与える可能性があり、特に小さな子どもがいる家庭では注意が必要です。
誤って食べてしまうと、吐き気や嘔吐、腹痛といった症状が現れることがあるとされています。
ですが、特に重篤な中毒といった報告がないのも事実です。
ステロイドやアルカロイドなどは、正しく処理すれば生薬などの薬としても利用されていますから、適切な管理をすれば大丈夫だといえます。
2.強い繁殖力
フッキソウは繁殖力が非常に強く、初めは管理がしやすいと感じるかもしれませんが、時間が経つと地下茎が拡がり、庭中に新しい芽を広げてしまいます。
これにより他の植物の生育スペースを奪い、庭のバランスや美観に悪影響を及ぼすことがあります。
3.日照に敏感で葉が変色
フッキソウは本来、日陰または半日陰で湿った環境を好む植物です。
直射日光が強い場所では、葉が焼けてしまい、見た目が悪くなるだけでなく、植物全体の健康にも影響を及ぼします。
そのため、日当たりの良い場所には適していないことを覚えておく必要があります。
フッキソウを庭に植えるときの4つの注意点
フッキソウを庭に植えるときは、4つのポイントに留意する必要があります。
1.適切な日当たりを選ぶ
フッキソウを庭に植えるときは、適度な日光が得られる場所を選びましょう。
フッキソウは直射日光を長時間受け続けると葉焼けを起こし、枯れることがあります。
理想的なのは、一日のうち数時間だけ日光が当たる半日陰の環境です。
庭や花壇でフッキソウを植える場合は、午後の強い日差しを避ける場所を選ぶと良いでしょう。
2.根の広がりをコントロールする
地下茎による強い繁殖力を持つフッキソウは、庭全体に広がる可能性があるため、根止めシートの使用が効果的です。
このシートを使うことで、不意の拡散を防ぎ、庭の他の部分への影響を最小限に抑えることが可能です。
フッキソウの地下茎の成長を適切に管理することで、他の植物との共存もスムーズになります。
3.定期的な剪定で管理する
フッキソウの茎は定期的に剪定することで、過剰な増殖を防ぎます。
茎の剪定はフッキソウの成長を健全に保ち、庭や花壇の整然とした見た目を維持するのに役立ちます。
なので、地下茎が広がりすぎないように気をつけながら、庭や花壇のバランスを保つように管理しましょう。
この方法で、庭全体の調和と美観を保つことができます。
4.植える場所の選定
フッキソウの葉には毒性が含まれているため、特に小さな子供やペットがいる家庭では植える場所を慎重に選ぶ必要があります。
誤って摂取すると健康被害を引き起こす恐れも考えられるため、人々の手が届きにくい、安全な場所に植えるようにしましょう。
なので、フッキソウを公共の場や子供たちが頻繁に遊ぶエリアからは遠ざけ、誤食によるリスクを大幅に減らすことが可能です。
フッキソウの上手な育て方4つのポイント
フッキソウを上手に育てるためには、以下の4つのポイントを知っておくとよいです。
1.日当たりと土壌条件
フッキソウは、明るい半日陰の環境を好みます。
過度の日光は葉焼けの原因となるため、直射日光の強い場所は避け、やや日陰の涼しい場所を選ぶことが理想的です。
また、完全な陰地では株が密集せず、理想的な成長が望めないため注意が必要です。
土壌は、水はけがよく、有機質に富んだ土を用意すると良いでしょう。
庭植えの場合は腐葉土を混ぜた土壌が適しています。
鉢植えの場合は、赤玉土に腐葉土を混ぜたものを使用すると、栄養と通気性が保たれます。
2.水やりと肥料
フッキソウは、過剰な水やりを好まないため、庭植えの場合は自然の雨水だけでも十分なことが多いです。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
肥料については、庭植えの場合、土壌に初めに腐葉土をしっかり混ぜておけば追肥は必要ありません。
鉢植えの場合は、成長期の春と秋に緩効性肥料を施すことで、健康的な成長を促進できます。
3.植え付け時期と方法
フッキソウの植え付けは、春または秋が適しています。
植え付ける際は、苗の根がしっかりと土に馴染むように注意し、強い日差しや寒風から保護することが重要です。
植え付け後は、特に乾燥に注意し、必要に応じて適度に水やりを行います。
4.定期的な剪定
フッキソウの茎や枝が過剰に伸びると、株全体のバランスが悪くなることがあります。
定期的に剪定を行い、適度な形を保つことで、美しい見た目を維持できます。
また、剪定はフッキソウの健康を保つ上でも重要です。
密集しすぎると通気性が悪くなり、病気の原因にもなりかねません。
これらのケアを行うことで、フッキソウは健康に育ち、庭や鉢植えを美しく彩ることができます。
適切な管理により、フッキソウの持つ魅力を最大限に引き出しましょう。
庭にフッキソウを植える5つのメリット
フッキソウを庭に植える主なメリットを5つ挙げて解説します。
1.縁起の良さ
フッキソウはその名前からも縁起が良いとされ、日本では「富貴草」とも表記されます。
これは繁栄や幸運を象徴するとされており、家庭に良い気をもたらすと考えられています。
また、花言葉には「良き門出」「吉事」「祝意」といった、前向きな意味が込められており、多くの人々に好まれています。
2.日陰の環境でも育ちやすい
日陰で育つ植物は限られていますが、フッキソウはそうした条件下でもよく成長します。
これにより、日照条件が厳しい庭の環境でも緑のカーペットを形成することが可能です。
そのため、影が多い庭にも最適な選択と言えるでしょう。
3.病害虫の少なさ
フッキソウは病害虫が発生しにくい性質を持っています。
このため、病害虫の管理に多くの労力を費やすことなく、庭を美しく保つことができます。
特に地面を覆うタイプの植物では珍しく、手間のかからないメンテナンスが魅力的です。
4.管理に手間がかからない
フッキソウは比較的管理が楽な植物で、特に剪定に関してはそれほど頻繁に行う必要がありません。
自然な形を保ちやすく、見た目が乱れにくいため、手入れが簡単で初心者にも扱いやすい特性を持っています。
5.風水での利用
フッキソウは別名「吉事草(キチジソウ)」とも呼ばれ、これはその繁栄する性質が吉事や良い出来事を引き寄せるとされています。
風水では、植物の配置が家の運気に直接影響を与えるとされ、フッキソウ(吉事草)は特に良い運気を招く植物でもあります。
特に東方向にこの植物を植えることで、健康や家族の和を保つ効果があると言われています。
この方位にフッキソウを配置することで、家庭内の陽のエネルギーを高め、全体の運気を向上させると考えられています。
まとめ
フッキソウは日本に古くから自生し、その美しさだけでなく多くの実用的なメリットを庭にもたらします。
縁起の良さや管理のしやすさ、さらに病害虫に強い性質などから育てやすいというのもポイントです。
比較的手間のかからない日陰にも強いグランドカバープランツですから、これらのポイントを踏まえて、フッキソウを庭で上手に育ててみてはいかがでしょうか。